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自己破産経験者インタビュー
自己破産に対する誤った理解が解ければ、必ず楽になれる

第2章 第一次借金時代

◆拍子抜けするほど簡単だったカード作成

吉田さんはというと、さすがに首まで吊ろうとは思わなかったそうだが、半日もあれば20万円が溶けてなくなるような状況が続き、あっという間に“お手上げ”状態に陥ったという。

だって年収300万円ですからね。長続きするわけはありませんよ。だからといって、本業に専念しようとも思いませんでした。カネがなくなって目先のカネが欲しいのに、仕事をしたところでギャラが入るのはずっと先ですから。というより、本当はどんなに負けてもパチスロが楽しくてしょうがなかった。完全な“依存症”だったわけです。軍資金がなくなれば、知人から借りて打つようになり、それでも負ける。で、返済するカネを稼ぐために別の知人からまた借りる。ま、債務者によくある典型的な悪循環にボクも陥ったわけです。そんなとき、ある友人が「いっそのこと、消費者金融から借りてみたら? 笑顔で貸してくれるよ」と言うんです。最初はとんでもないことだと思ったんですが、そんなこと言っている場合でもなかったので、思い切って大手消費者金融に行ってみたんです。そしたら、簡単な手続きだけであっという間に限度額30万円のカードが出来てしまった。そうそう、それから友人の言ったとおり、たしかに笑顔でしたよ(笑)

あまりにも簡単に借りられてしまうことに「拍子抜けした」とも言うが、それでも当初はカードを利用することに躊躇し、必要不可欠なときにしか利用することはなかったそうだ。

◆「カードでカネをおろす」という感覚

ところが、何度か利用しているうちに「カードでカネを借りる」から、「カードでカネをおろす」という感覚に変わってきたんですよ。まるで“自分の口座にある自分のカネ”みたいな感覚にね。こうなるともうダメ。最初はATMコーナーに入るのだって人目を気にしていたのにねぇ。パチスロ仲間にも、「カネがなくなったから、ちょっとおろしてくる」なんて普通に言ってましたから(笑)。で、当然のように「おろしたカネ」でパチスロを打つようになり、あっという間に限度額到達。そのときは一瞬、「とんでもないことをしてしまった!!」と後悔するんだけど、次の日にはもう別の消費者金融でカードを作ってたりして。なにせ、簡単に作れるってことを知っちゃってますから躊躇すらしない。気が付けば数ヶ月でカードは4枚、限度額の総額は90万円になっていました

◆一度は完済したものの……

それでも月々の返済はトータルで5万円ほど。決して払えない額でもなかったことと、本来の真面目な性格から延滞することもなく、なんとなく1年が過ぎたそうだが、そこから徐々に事態は悪化していったと言うのだ。

真面目に返済していたせいで、消費者金融から融資の増額の誘いがバンバンくるようになったんですよ。「いつも優良なお取引、ありがとうございます」って。ケータイ電話にもしょっちゅう掛かってきたし、月々の返済に行けば、ATMにカードを入れた途端に備え付けの電話が鳴って「枠を増やしませんか」ってな具合です。ものすごく鬱陶しかったし、ちょうどその頃、大きな仕事でまとまった収入があったのとパチスロの方も順調だったので思い切って完済しました。“思い切って”というのも変に聞こえるかもしれませんが、さっきも言ったように、“借りたカネも自分のカネ”という感覚ですから、自分で働いて得た90万円ものカネを全額返済に充てるのはとんでもなくもったいない気がしたんですよね。ホント、勝手ですよね。ただ、だからといってそのままにしておくと、いずれ増額の誘いに乗ってしまうであろうという予測もできた。そういう自分の弱さも理解していますから、この際、消費者金融とは縁を切ろうと思ったわけです。でもある消費者金融へ全額返済に行ったときはスゴかったですよ。ATMに全額の30万円を入れてからわずか数秒後に2階から担当者が飛んできて、「枠を90万円まで広げさせていただきますから、是非、お取引を継続してください!!」って、すごい顔で説得されたんです。とっさのことに驚いて、「もう勘弁してください!!」と走って逃げたボクも、後で考えたらヘンですけど(笑)。内心では借金って怖いなぁと感じていたのかもしれませんね

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